ひきこもりから、社会にあそぶ

常識を壊して、常識にあそぶ、常識を創る

恋煩いの因果の参究

 よく眠り、気は晴れて、自らをやつす苦へと、意いを凝らす。

 恋しい。怒り、嫌悪、虚しさ、憧れ等を通り抜け、さらに精妙に、さらに深淵に、と念を凝らす。

 わからない、わからない。不明瞭に閉じた情感。道を手探るも見つからず、ついには飽きて、目をあけて闇へと転ず。

 時は深夜。喉の渇きに応えて、自販機へ。スマホを開き、インターネットへダイブする。ふと、Fate(英雄譚を語るゲームソフト)が気にかかり、調べて項垂れる。

 氷解した。そうだった、ぼくはこのゲームの一場面、正義をとって、自らの愛しい人を殺害しようと決意するも、慄きわななき、震えに震え、ついには殺せず、ナイフをおろす場面をみて、何度も何度も泣いたのだった。

 このことを思い出し、自分の恋煩いの因果の業は、とてもとても遠大深慮の上に成り立つ、大変なものであったと、痛感した。

 あのときになぜ、あんなにも涙したのか。それすら不明瞭なのに。

 自己の情感の因果を探る。なかなかに飽きさせない、良い娯楽だなぁ。

 心の不思議に思議を重ね、不可思議を可視する。今日もまた、達せなかった。また挑戦しよう。