ひきこもりから、社会にあそぶ

常識を壊して、常識にあそぶ、常識を創る

まかない、催促するや否や〜他愛と自己主張の狭間

 「圧にならないようにね。」まかないを出し遅れた親方へ、女将さんから、気遣うように注意を促された朝。彼女もまた、催促されることを厭い、恐れているのだろうか。その思いが、彼への気遣いとして、祈りの如くに露わになったのか。

 今、昼ごはんがない。それを催促するか迷っている。レトルトで間に合わせることもできる。それで充分でもある。

 けれど、自己を主張しないこと。思いやりと偽り、対立と革新を避けて、流れを停滞させることは、良きことではない。ぼくの関わる組織の悪性、劣性を見逃すことは、ぼくの悪性、劣性を育てることにほかならない。

 けれど、自己主張する動機、そこに、自身が損なわれたことへの不満、怒りはありはせぬだろうか。このような動機から行為するのなら、いかに組織の競争力向上の一歩のためとはいえ、自身の身心を汚すこととなる。うちなる誠実性を押し込め、その誠実な生き方よりくる喜びを感受できなくなる。

 言うか、言わぬか。ただの一言に、なかなかどうして、奥深く潜む社会と生き方。

 かろやかに伝えよう。「昼ごはんありますか?」